新築時に知っておきたい「レンガ」と「タイル」の違いとは


レンガとタイル、それぞれを想像すると見た目から違いがあることは一目瞭然です。しかしレンガとタイルには似た印象を持っている方も多いかもしれません。そこでレンガとタイルの違いについて、またレンガやタイルに関する外壁の種類についてご紹介していきます。
◼ レンガとタイルの違い
レンガとタイルは見た目が違うにもかかわらず、なぜ似たような印象を持たれがちなのでしょうか。それぞれの特徴と違いをご紹介します。
・厚さや形による違い
レンガは約60mm程度の厚さがあり、直方体のブロックのような形をしています。タイルはものによって厚さに幅がありますが、7mm〜20mm程度が一般的で、レンガと比べると厚みが薄い形です。形も正方形や長方形などレンガよりも幅広い種類があります。
・素材による違い
レンガは粘土や頁岩を練り固めて型に入れて窯焼きし、圧縮して作られています。表面がザラザラとしており、荒々しい印象がレンガの特徴。
タイルは、粘土などの無機質を原料として成型されて焼き固められたもののことを指しますが、素材は厳密に決められていません。そのため陶器やプラスチックなどさまざまな素材から作られており、種類やデザインが豊富であることも特徴の一つ。
レンガ素材のタイルも存在することからレンガとタイルが混同してしまう方が多いのかもしれません。
・用途や施工方法による違い
レンガは建物の構造や外壁に使うことが多く、タイルは仕上げ材や装飾用としてよく使われています。施工方法としては、ブロックの形のレンガは積み上げて施工を行い、タイルは厚みが薄いため張り付けて施工するのが主流です。
◼ レンガやタイルに関する外壁の種類
レンガとタイルそれぞれの特徴と違いについてご紹介してきました。レンガ素材のタイルも存在することからレンガとタイルが混同してしまう方が多いということも分かりましたが、他にも似た印象を与える外壁がいくつかあります。レンガやタイルに関する外壁の種類も覚えておきましょう。
・レンガ積み
「レンガの家」と聞くと高級感や重厚感のある家を想像しますよね。そういった家では一般的にレンガを積み上げて施工されています。ただレンガを積み上げるだけでは耐久性や耐震性に不安が残るので、レンガ内部に鉄筋やステンレス筋を通し、モルタルで固めながら積み上げていきます。
レンガ積みの家はメンテナンスフリーなので、塗装や張り替えなどの必要がありません。他の外壁材だと定期的に塗装や張り替えが必要になりますが、レンガの家ではランニングコストを抑えられるという大きなメリットがあります。
またレンガの家は耐震性が低いイメージがある方もいるかもしれませんが、木造軸組工法や2×4工法を組み合わせ、レンガをしっかり緊結させて積み上げることで耐震性の高いレンガの家を実現することができます。
・スライスレンガ
スライスレンガとは、レンガを薄くスライスしたもののこと。金属のレールに乗せて外壁の表面に固定して施工していきます。使っている素材はレンガと同じなので耐久性は高いですが、スライスレンガを張り付ける際のシーリング材や下地が劣化するため定期的なメンテナンスが必要です。
レンガ積みの家と比べると施工が簡単で費用も抑えられるので、初期費用が気になる方はスライスレンガがおすすめ。
・レンガ調
レンガの外観が好みだけど、レンガ積みの家は費用的に厳しいという方もいるかもしれません。また外壁の一部分のみをレンガ風にしたいというデザイン面での希望がある方も多いです。そういった場合はレンガ調のサイディングという選択肢もあります。
サイディングボードは日本の住宅においてもっとも普及している外壁材であり、部分的にレンガを取り入れたいときでも手軽に取り入れることができます。サイディングボードは定期的なメンテナンスが必要なので、ランニングコストも考慮しておきましょう。
・タイル
外壁の仕上げ材としてタイルを施工することもあります。無機質を原料として高温で焼き固められているため、正しく施工されていれば耐久性が高いのが特徴。レンガのように高級感を出すことができ、好みのテイストに合わせてデザインを選ぶことができます。
・タイル調
レンガと同じように、タイル調のサイディングという選択肢も。タイルそのもののような見た目に仕上げることができるので、手軽に高級感がほしい場合におすすめの外壁材です。デザインの種類が豊富なので、どんな外観にしたいか家族で事前に話し合っておくようにしましょう。
◼ 特徴やメンテナンス方法を考慮して選ぼう
外壁を選ぶ際にレンガとタイルで悩むこともあるかもしれません。それぞれの特徴や違いを知った上で決めようと思われていた方もいるかもしれません。レンガとタイルに関する外壁の種類と特徴をまとめると以下の通りです。
- レンガは耐久性が高い一方で初期費用が高い
- スライスレンガはメンテナンスが必要だが初期費用を少し抑えられる
- レンガ調は手軽にレンガを取り入れることができる
- タイルは豊富なデザインの中から耐久性の高い仕上げ材を選べる
- タイル調はレンガ調と同じように手軽にタイルを楽しめる
それぞれ特徴が異なるので、メンテナンスまで考慮した上で外壁材を選ぶようにしましょう。耐久性や耐震性の重要度が高い方はレンガ積みの家がおすすめです。
◼ レンガの家の建築事例
レンガとタイルの特徴と違いについてご紹介してきましたが、レンガ積みの家の建築事例もぜひ参考にしてみてください。
・アイアン製の装飾との相性が良いレンガの家
こちらの事例では、レンガ造りの外観に合わせてアイアン製の飾りを付けています。重厚感があるだけではなく、スタイリッシュな印象にも。夜になると家の中の明かりによってレンガの壁の凹凸が照らされてお城のような表情を見せてくれます。
アイアン製の門を入るとエントランスの前まで車が入れるようなアプローチが伸びています。家の中は白を基調としながらも大理石の床やアンティークのテーブルセットなどの家具がアクセントになっています。リビングは吹き抜けになっているおり開放的な空間を演出しています。
・多角形が珍しいレンガの家
結婚当時からレンガの家に憧れていたとのことでご依頼いただきました。外観は外壁がレンガであることはもちろん、多角形が特徴的。窓にアイアンの格子や青胴のランプを付けるなど、細かい部分にもこだわって仕上げました。
リビング・ダイニングは落ち着いた色のアルダー材を使用することであたたかい雰囲気に。リビングとダイニングは飾り窓で仕切って空間を分け、リビング階段を採用するなど間取りにもこだわっております。
・明るい色味のレンガの家
こちらの事例では、明るめの色のレンガが使用されています。レンガ積みの塀やアーチ状のエントランスが高級感を演出しています。屋根には煙突が設置されており、住宅街でも際立つ存在に。
内装にもレンガを使用し、水回りは白を基調とした統一感のある空間の中になっています。シャンデリアや薪ストーブなど、インテリアのおしゃれさと実用性を兼ね備えた素敵な家に仕上がっています。
◼ まとめ
レンガとタイルは似た印象を持たれることが多いですが、たくさんの違いがあります。厚みや素材、施工方法の違いを理解した上で、家族に合った外壁材を選んでみてください。ケンブリックではレンガ積みの家を専門としています。レンガの家の建築事例も参考にした上でレンガの家が気になる方は、ぜひ一緒に家づくりを進めてみませんか?