レンガの家を建てたい!メリット・デメリット、気になる価格とポイントは?

家を建てるなら、風格のあるレンガの家に住みたい!という方も多いのではないでしょうか。どっしりとした重厚感と洋館のようなおしゃれな赤レンガの家は、デザインだけではなく、その機能面でも様々な魅力があります。日本で地震や火災に強いレンガの家を建てるには、おさえておきたい重要なポイントがあります。そこで今回は、レンガの家のメリット・デメリットを踏まえた家づくりのポイント、気になる価格をご紹介します。ぜひ家づくりの参考にしてくださいね。
レンガとは?
レンガは粘土を焼いて作る自然素材です。耐熱性、断熱性、保温性、耐久性に優れ、圧縮・曲げ・耐水・摩耗などにも強く、品質・コスト面でも優れた建材です。
その起源は、紀元前3000年頃、あるいはそれ以前とも言われ、古代エジプト、メソポタミア時代に遡るとされています。アジアでは中国の万里の長城、日本では東京駅や横浜の赤レンガ倉庫、世界遺産に登録された群馬の富岡製糸場などの歴史的建造物があります。
レンガの家の特徴
憧れのレンガの家に住みたい!と思って街中にあるレンガの家を見ても、実は様々なタイプの家があります。そこで、まず日本で建築されているレンガの家のタイプをみてみましょう。
レンガ積みの家
現代建築において代表的なレンガの家は、レンガを積み上げて施工する「レンガ積みの家」です。レンガの内部に鉄筋やステンレス筋を通し、モルタル材で固めて積み上げていきます。
【特徴】近年の日本の住宅建築においては、耐震性の高い木造軸組工法や2×4工法の住宅の外壁として、鉄筋などで固定して積み上げたレンガ造りの家が多くなりました。木造住宅の良さとレンガ積みの良さの相乗効果で地震と火災に強い家づくりができます。
【耐火性】耐火認定60分の準耐火性能があります。外側が800℃でも内側は16℃を保つほどの断熱性があります。
【耐久性】耐久性は50年以上となります。外壁の塗り直しや張り替えなども必要がないメンテナンスフリーの外壁です。
【価格】施工費用は坪70万円~が相場です。レンガ積みの場合はメンテナンスフリーですのでランニングコストはかかりません。
<関連サイト>
・レンガ積みの家の施工事例
スライスレンガの家
薄くスライスしたレンガを金属のレールに乗せて外壁の表面に固定するタイプです。
【特徴】レンガを積み上げる方式ではないため、施工がしやすいのが特徴です。
【耐火性】耐火認定45分の耐火性能があります。外側が400℃の場合、内側は70℃の断熱性となります。
【耐久性】シーリング材や下地が経年劣化しますので、概ね10年サイクルでメンテナンスが必要です。
【価格】施工費用は坪46万円~が相場です。10年毎に25万円~のメンテナンス費用がかかります。
レンガ風のサイディングの家
外壁をレンガ風のサイディングにした場合のタイプです。
【特徴】サイディングの表面に塗装をしたセメントボードを張り詰めていますので、レンガのような風合いを演出する場合に利用されます。
【耐火性】30分の耐火性能となります。外側が800℃の場合、内側が34℃の断熱性があります。
【耐久性】シーリング材や収縮などの経年劣化があるため、概ね8年サイクルでのメンテナンスが必要です。
【価格】施工費用は、坪68万円~が相場です。メンテナンスは8年毎に100万円程度の予算をみておく必要があります。
なお、上記の相場や仕様は、施工会社により異なる場合がありますので、具体的に比較検討の際は個別にご確認ください。
レンガの家のメリットとデメリットと家づくりのポイント
レンガの家といっても、本物の重厚な積みレンガの家、軽量化したスライスレンガの家、レンガ風のサイディングの家と様々なタイプがあります。では、本物のレンガの家と言えるレンガ積みの家について、メリットとデメリットを確認しておきましょう。
メリット①耐久性:メンテナンスが不要
一般的な住宅の場合、10年に1回程度の外壁の張り替えなどのメンテナンスが必要となります。一方、レンガの家は、外壁のメンテナンスは必要がありません。むしろ、レンガは自然素材ですので、年月を重ねるごとに風合いが増していきます。レンガの家はランニングコストが抑えられるのも大きなメリットと言えるでしょう。
メリット②快適性:夏涼しく冬暖かい
レンガの素材は、耐熱性があり、蓄熱性能もあります。レンガの中には小さな気泡が無数にあり、空気の層を形成しています。そのため夏はひんやりと涼しく、冬はやんわり暖かい家づくりができます。レンガ造りの倉庫が多いのも、こうしたレンガならではの室内温度を一定に保ちやすい性質を利用しているのですね。
メリット③安全性:地震と火災にも強い
レンガの家は、従来は、積み上げたレンガをモルタルで固定する工法が一般的でした。大正12年の関東大震災を機に、従来の工法では耐震性に難があるとされたことから建築許可が下りない時期もありました。しかし、現在のレンガ積みの家の工法は、鉄筋コンクリートのようにレンガの内部に鉄筋やステンレス筋を通すことが一般化しており、耐震性が格段に向上しました。その後、住宅の構造を木造軸組工法や2×4工法で組み、外壁として基礎から鉄筋等を通したレンガ積み工法を採用することで、木造住宅の耐震性とレンガ積みの家の耐火性の相乗効果により、災害に強い家となることが公的機関の実験で実証されました。このような最新工法で建築されたレンガ積みの家は、自然災害の多い日本における新たな家づくりの選択肢と言えるでしょう。
なお、当社では、オーストラリアから直輸入した高品質の専用のレンガを使用し、基礎から最上部までステンレス筋を通して緊結する基礎、木造構造部、外壁のレンガを一体化した二重外壁工法を用いており、耐震性能も基準の3倍近い強度を確保しています。
<関連サイト>
・ケンブリックのレンガ積みの家の耐震性、耐久性、耐火性、環境配慮
メリット④環境配慮:環境にやさしい
レンガは土を焼いて固めた自然素材です。粘土資源が豊富なオーストラリアで作られたレンガを使用し、使わなくなった際には土に戻すことができます。また、レンガ積みの家づくりは、100年後も住み続けられる耐久性があります。かつての、日本のスクラップ&ビルドの家づくりではなく、世代を超えて住み続けることができるストック型の家づくりを実現することができます。このように、レンガの家は、環境にやさしい環境配慮型の家づくりとも言えるのです。
レンガ積みの家には、上記のような魅力があります。一方で、レンガの家ならではの留意すべき点もありますので確認しておきましょう。
デメリット①リフォームが難しい
レンガの家は、メンテナンスが必要ないほど耐久性が高いため、外壁のリフォームが必要な増築や建て替えに向いているとは言えません。レンガの家を建てる際は、長く住まうことを前提に、綿密な設計を行う必要があります。
デメリット②施工できる工務店が少ない
日本においてレンガの家を建てることができる工務店は限られます。確かな耐震性能を兼ね備えた鉄筋やステンレス筋を用いた新たなレンガ積みの工法による設計、熟練の職人さんによる確かな施工技術が必要です。レンガ積みの家を建てるなら、現在の建築基準法の基準を満たす最新のレンガ積みの施工ができる職人さんを抱える工務店に相談するのが安心です。
デメリット③工期が若干長くなる
レンガ積みの家は、まず木造の構造をつくり、外壁をレンガ積みにします。職人さんがレンガを1つ1つ積んでいきますので、工期が相応にかかります。ハウスメーカーのように工場でカットした木材や外壁ユニットを現場で組み立てるような家づくりではありません。職人さんのハンドメイドの家づくりになりますので、確かな家づくりをするための必要なプロセスですので、余裕をもった工期を設定するようにしましょう。
レンガ積みの家の価格相場
建築費
レンガ積みの家の平均的な坪単価は70万円~です。重厚感のある本物のレンガ積みの家は工期を長めに確保しますので、一般的な工務店での家づくりの価格相場よりも若干建築費は高めになりますが、職人さんの確かな技術で100年住める家づくりには必要な工程となります。
ランニングコスト
一方で、レンガ積みの家はメンテナンスフリーです。一般的なサイディングの外壁で建てた住宅は10年毎に100万円ほどのメンテナンスコストがかかりますので、100年住めるレンガ積みの家は、トータルコストでみればコストパフォーマンスは高いと言えます。
また、耐震性、耐火性などの住宅性能、夏涼しく冬暖かい快適な居住性、さらには、100年の時をかけて風合いが増す味わい深い家づくりができることを考えれば、レンガ積みの家は、それ以上の魅力がある家づくりができるのです。
まとめ:レンガの家を建てるなら
重厚な風格のある憧れのレンガの家は、100年後も、さらに味わい深い佇まいとなり、街の風景として次世代に受け継がれていきます。
レンガの家には、レンガ積みの家、スライスレンガの家、サイディングの家などの種類があり、それぞれに特徴があります。現代の住宅建築技術によって、レンガ積みの良さと、木造建築の良さを組み合わせた、地震と火災に強い家づくりが可能となりました。自然災害が多い日本において、レンガ積みの家はこれからの家づくりの選択肢の1つです。
日本でレンガ積みの家を建てられる工務店は限られます。レンガ積み専門の家づくりをしている当社では多くの施工実績、施工技術を持つ職人さんのネットワークがあります。レンガ積みの家を建てるならケンブリックにご相談ください。